人と人をつなぐあたたかい心のふれあいに感動!第27回バングラデシュ・ワークキャンプレポート
第27回ワークキャンプレポート 2008年8月19日〜30日
洪水、人口過密、教育の普及が遅れている国・・・そんなマイナスイメージで語られることの多い国バングラデシュ。しかしそこには素朴で、あたたかく人を受け入れる文化を持った魅力的な人々がいます。そこを訪れる誰もが、彼らの屈託のない笑顔と明るさに親しみを感じ、いつのまにか心を開いている自分に気づく、そんな不思議な魅力のある国バングラデシュに日本から9名の青年達が訪れました。
日本人がよほどめずらしいのか見る見るうちに人垣が・・・
バングラデシュに着いた参加者達の最初の驚きは人の多さでした。私たちがただ道に立っているだけで、どこからともなくどんどん人が集まり、いつの間にか人垣ができてしまいました。遠慮の無いその熱い視線にびっくりしていた参加者達でしたが、行く先々でおせっかいに感じられるほど歓迎してくれる彼らの親切にもだんだんに慣れ、毎日楽しい日々を過ごすことができました。
YURIKOエンゼルスクールの体験授業で大縄跳びに挑戦
参加者達は農村の学校でのトイレ作りやエンゼルホームの子供たちとの交流、そしてさまざまな場所でバングラデシュの人々とふれあうことができ、日本とは全然違う環境で新鮮な体験をすることができました。彼らは物がすくない中で生きるバングラデシュの人々の生活に触れ、いつのまにか日本で身についてしまった“何でもあって当たり前 ”という感覚から、人間が生活する上で何が大切なのかを考えたようです。
農業研修センターで牛の乳しぼり体験
バングラデシュは停電することも多く、いなかに行けば今だに電気や水道、まともなトイレもありません。でも余計なものがない分、シンプルな生活の中で家族や友人、お客さんを大切にする心を失わずに生活しているように感じます。
電気が無い家で毎日8時間も勉強するというカパシア村の中学生達
カパシア村では国際エンゼル協会が奨学金を渡している学生の家を訪問しました。この家の長男のバカル君は大学2年生で、高校生の時から奨学金をもらっています。国家試験を受けて将来は公務員になりたいそうです。お父さんは村で警備員をしていて、収入が少ないため進学を諦めかけたところにエンゼルのことを聞き、学校へ通い続けることができましたと、うれしそうに話していました。彼の家には家族が寝るベットが一つと小さな机の他はほとんど何も無く、その暗い部屋で毎日勉強をしているそうです。この村にはバカル君の他にもたくさんの奨学生がおり、それぞれ学校の先生や医者になりたいと将来の夢を話してくれました。
トイレ作りに必要なセメントに混ぜる砂を運んでいます
トイレ作りでは、毎回エンゼルホームの子供たちが手伝いに来てくれたおかげで順調に作業が進み、無事にトイレが完成しました。参加者達は慣れない力仕事にも疲れも見せず、最後までがんばりました。
毎日よく遊んだエンゼルホームの子ども達
最終日の文化交流会では、毎晩のように練習したよさこいを子供たちと楽しく踊り、みんなの心が一つになる喜びを感じました。次の日の朝、エンゼルホームをあとにするときには、別れがつらくて泣き出してしまう参加者もいましたが、子供たちのおかげでとても楽しい時間を過ごすことができました。
文化交流会では“よさこい”を子ども達と一緒に踊りました!
また、エンゼルホームを巣立っていった子供たちが今では社会人となり立派に働いて家族を持ち、もっと人の役に立てるようがんばりたいと言っているのを聞き、バングラデシュでの23年の活動の積み重ねが確実に花開いてきていると思いました。そして、日本で活動しているボランティアの皆さんの情熱と愛情がしっかり伝わっているのを感じてとてもうれしく思いました。
皆で協力して完成させたトイレ
ワークキャンプに参加した日本の若い人達は、明るく前向きに生きるバングラデシュの人々から良い刺激を受け、それぞれの将来を考える上でもとても貴重な体験となりました。最高の笑顔で過ごした10日間、きっと忘れられない一生の宝物として心に残ることでしょう。
次回ワークキャンプは8月8日〜19日の開催予定です。詳しくはこちらのページへ